部分ウィッグで白髪を自然に隠す-知っておきたい選び方と費用
白髪を隠す手段のひとつに、部分ウィッグでカバーする方法があります。
カラーリング等で白髪対策をおこなう方が大半なため、部分ウィッグでの白髪隠しが便利そうだと感じても選び方や値段がわかりづらく、購入をためらっている方が多いのではないでしょうか。
白髪染めをしても1−2週間で根元部分が目立ってきますが、部分ウィッグの使用によりこの期間をかなり伸ばすことができるはずです。
ただ、ウィッグの使用は絶対にバレたくないものです。
自然に着用できる部分ウィッグの選び方、素材や機能面による費用の違いをご紹介いたします。
目次
白髪を隠すための部分ウィッグの選び方
白髪用の部分ウィッグは、つけていることがわからず自然に着用できることが最も大切です。
その自然さには、髪とベースの素材・製法などの品質、そして自毛とのバランスを崩さないための髪色と毛量が大きく影響します。
さらに毎日の使用となるため、お手入れのしやすさや快適に着用可能かなども加味して検討する必要があります。
髪の素材
部分ウィッグに使用されている髪の毛は人毛だけではありません。
人毛・人工毛と、それを混合しているミックス毛のウィッグが販売されています。
人毛 | ミックス毛 | 人工毛 | |
---|---|---|---|
見た目 | 〇自然 | △ | ✕ツヤ感が強い |
手触り | 〇 | △ | ✕ |
スタイリング | △自毛と同レベル | 〇人工毛に近いレベル | 〇形状安定 |
ドライヤーの使用 | 〇 | 〇 | 〇 |
ヘアアイロンの使用 | 〇 | 〇 | 〇 |
カラーリング | △色ムラの可能性あり | ✕人工毛のみ染まらない | ✕ |
パーマ | △均一にかかりにくい | ✕人工毛のみかからない | ✕ |
価格 | ✕高い | △ | 〇安い |
人毛・ミックス毛・人工毛には、以上のような違いがあります。
自然さを追求する場合はもちろん人毛100%が望ましいのですが、なぜ人工毛やミックス毛の製品があるのでしょうか。
人毛は高価であるため、その代品として安価でもう少し気軽に購入できるウィッグを作るために選ばれている素材が人工毛となります。
人工毛は化学繊維で作られた髪の毛です。
価格の安さだけでなく、形状安定なためスタイリングが簡単で崩れにくいというメリットもあります。
ただ、いかにもウィッグっぽいツヤ感があることは否めません。
特に部分ウィッグの場合は自毛とあわせて使用するため、髪の毛のツヤ感に差があるとどうしても不自然な印象を与えてしまいます。
その両者のメリットとデメリットを相殺する形で用意されているのがミックス毛です。
見た目の自然さとスタイリングのしやすさを両立したものになり、両者の中間の価格帯となります。
人毛:人工毛の割合はメーカーにより異なりますが、ミックス毛は部分ウィッグの素材として一番多く採用されているものとなります。
ベースの素材
部分ウィッグにもつむじや分け目があり、その部分は人目に触れるため肌のように見える素材が使用されています。
一般的なベースは網目状になった肌色のもので、髪はその網に結びつけられています。
肌色が見えるため大きな違和感はありませんが、近くでよく見ると結び目があることが気になる点です。
その問題の解決のため、人工肌の中には2重構造になっているものがあります。
髪は1枚目のベースに結びつけ、2枚目の肌色のベース素材は髪が引き抜かれているだけになっており結び目が一切見えません。
値段は高くなりますが、毛根に似かよったまるで生えているかのような自然なつむじ・分け目です。
製法
部分ウィッグの製法には機械植えと手植えがあります。
機械植えのウィッグは規則的に植えられていることで不自然さを感じさせます。
それに対し、1本1本職人の手によって植えられる手植えのウィッグはとても自然なものです。
手植えは時間と手間がかかる分、機械植えよりも高額になりがちです。
そのため、毛根が目立つつむじや分け目の部分のみ手植えにした部分手植えのウィッグもあります。
カバー範囲とつむじの形状
部分ウィッグのベース部の大きさは、白髪を隠したい範囲にあわせて決めます。
ここで気をつけておきたいのが、着用時の毛量は「自毛+部分ウィッグの毛」になることです。
自毛の毛量が多めである場合、自毛を押さえて部分ウィッグをつけたとしても、着用部分に不自然さがでる可能性があります。
部分ウィッグには薄毛の方に向けた毛量アップを目的とする製品もたくさんあります。
そのため、白髪隠し目的だけではないものの場合は毛量が多い可能性が高く、特に注意が必要です。
さらにベース部分の選択の際にあわせて検討が必要なのが、つむじ部分の形状です。
髪をわける部分の白髪が目立ちがちなため、丸い形状の「つむじタイプ」、長細い形状の「分け目タイプ」の部分ウィッグが多く販売されており、好みにあわせて選ぶ必要があります。
装着方法
部分ウィッグは自毛を利用して固定します。
大半の製品の装着方法がクリップによるもので、櫛状になったクリップを自毛にはさみ込むことで安定します。
ただ、金属が使われているため、金属アレルギーのある方は使用できません。
樹脂素材のクリップに付け替える必要があります。
他には引き抜き式と言われる装着方法があり、部分ウィッグのベースにある隙間から自毛を引き出し、ウィッグの髪となじませることで柔らかく安定させます。
引き抜き式の部分ウィッグであれば、金属アレルギーの方でも使用できるはずです。
気になる点としては、見えない箇所での作業が多いため難易度が高い装着方法となります。
カラー
部分ウィッグは自毛と一緒に使うもののため、自然になじませるためにはできるだけ近い髪色を選ぶ必要があります。
髪の毛は毛先の方が明るくなっており、色合わせは毛先近くの髪によりおこないます。
ただ、ネットショップなどで購入する場合はその色合わせができません。
そのため、ご自身が白髪染めで使用されているカラー剤を使ってのカラーリングを検討される方が多くいらっしゃいますが、これは避けたほうよい方法です。
残念ながら、化学繊維である人工毛は染まりません。
人毛100%の部分ウィッグの場合はカラーリング自体は可能ですが、それでもおすすめすることは難しいです。
カラー剤は人によって色の入り方が異なります。
美容院でカラーリングする時、途中で色をチェックし時間が調整されるのはそのためです。
ウィッグの人毛は一人の人間のものだけが使用されているわけではありません。
いろんな人の髪の毛である以上、髪1本1本ごとに色の入り方の差があるため、ムラのある仕上がりになる可能性があります。
購入した部分ウィッグの色味が合わない場合は、自毛をウィッグにあわせた色に染める方が安心です。
白髪入りの部分ウィッグについて
部分ウィッグは白髪隠し目的だけでなく、加齢による薄毛や脱毛症などの対応として毛量を増やす目的で使用する方も多くいらっしゃいます。
そして自毛に白髪がある方に向けた、白髪入りの部分ウィッグも多く販売されており、いろんな白髪割合で展開されています。
ただ、ウィッグに使用される白髪は、人毛100%の製品であっても人工毛である点には注意してください。
使用していく中で、自分の白髪割合とのバランスが崩れ、自毛と部分ウィッグ両方の白髪染めを検討される方が多いようですが、この方法での解決は難しいです。
白髪入りの部分ウィッグは、そのまま使用し続ける前提で購入してください。
部分ウィッグでの白髪対策に必要な費用と買い替え
白髪隠しの部分ウィッグの価格は、素材や製法の違いなどにより千差万別です。
自然さと価格はある程度比例しているため、予算にあわせて納得行く範囲の製品を検討することになります。
さらに購入時には見落としがちですが、買い替え頻度を考慮する必要があります。
洋服が着用していく中で薄くなったり色あせてくるのと同じように、部分ウィッグも少しずつ劣化していきます。
毎日着用することが多いため、想像よりも早いペースで買い替えることになります。
購入費用だけでなく、買い替えを含めた判断をおすすめします。
部分ウィッグの値段
白髪隠し用の部分ウィッグの値段には大きな違いがあり、その理由を知った上で購入を検討する必要があります。
安いものだと3,000円程度から、高ければ100,000円を超えるものも販売されています。
基本的には、より自然に見えるよう工夫されている製品で、サイズが大きいものが高額です。
・人毛の比率が高い
・人工肌が2重構造
・製法が手植え
・髪の丈が長い
・ベースのサイズが大きい
以上のような条件により、部分ウィッグの値段は高くなります。
譲れない条件を優先し、予算に見合った製品を見つけてください。
買い替えのタイミング
ウィッグは毎日使用する上に細い素材を使用した繊細なつくりであるため、耐久性はあまり高くありません。
・人毛 ・・・1〜2年
・人工毛 ・・・4〜6か月
・ミックス毛・・・6か月〜1年
毎日着用の場合は、以上のような使用期間を目安としているメーカーが多いようです。
具体的な買い替え理由としては、抜毛・切れ毛による毛量の不足が多く、他には人毛の場合はパサつき・人工毛の場合は縮れなどがあげられます。
ただウィッグの寿命はお手入れ次第で大きく変わります。
丁寧に扱っていれば、人毛でなくても2〜3年使用される方も多いようです。
ウィッグ特有のお手入れ方法を取り入れて、日々より長く使う工夫を続けることが大事です。
買い換えの頻度を下げて、その分自然さを追求した質のよい製品の購入にお金を使ってはいかがでしょうか。
まとめ
白髪を隠すための部分ウィッグの使用について、費用などを含めた選び方をご紹介しました。
部分ウィッグは自然さを追求するほど、高額になりやすい傾向があります。
耐久性があまり高くない製品のため、価格だけでなく買い替え頻度を考慮した費用の計算が大切です。
素材を追求することで、より自然な部分ウィッグを手に入れることができるはずですが、それも自分に合わないカラー・サイズ・毛量のものを選ぶと台無しになってしまいます。
実際に手に取り自分の頭髪にあわせてみることが、より自然に白髪を隠せる部分ウィッグ購入を成功させる秘訣となります。